契約電力

多くの需要家の基本料金の基準になっている契約電力ですが、通常は過去1年間で最大のデマンドをそのまま適用する「デマンド制」です。

ですから、沢山の方はそれが下がるようにデマンドメーターを取り着けて、警報などに従って器機をON-OFFして省エネしています。

ただし、デマンドが500kwを超えている需要家は「協議制」と言いまして、最高デマンドを参考にしながら1年に一回電力会社と契約電力を「お話合い~協議」で決めています。

その場合の契約kwは最高デマンド以下には出来ず、しかも協議制契約電力をデマンドが超えた場合はその分が50%増しの料金になるので、余裕を持って決めている方が多いです。

例えばグラフのような需要家さんですが、年間に何度か500kwを超えていますので、550kwに決めています。

ところが今年の夏はデマンドが570kwに上り、契約超過金を20kw分ペナルティーとして支払いました。

通常この場合は来年の協議では570kw以上の契約電力しか認められないことが多く、基本料金は上がります。

 

しかしながら毎年真面目に協議していない需要家も中には存在していて、契約電力をデマンドが超えても超過金を払っているだけという方もいます。実際に570kwで契約電力を1年間上げるよりは、計算上は超過金1回払いの方が安いのでお得ということになります。

昔は電力会社の方が権力が強くて?、デマンドが契約電力を超えると需要家の所に飛んできて「あんたたち何やってんだ!そんなに電気を使ったら電線が過熱して燃えたらどうするんだ!?」と怒鳴りこまれたこともあるそうです。

まあ、需要家の契約電力を地域で合計し、それで送配電線の太さを決めて、増えた場合は太くする(伝説?)という方便をみんな信じていましたので、電力会社に怒られても仕方がないのが自由化の前でした。

 

ところが自由化になり「電気を買って頂くお客様」と立場が逆転し、電力会社の態度が改まってきます。

デマンドが契約電力を超える大口ユーザーが居ても、軽微なら「契約超過金を貰えるからいいや」と注意もしなくなりました。

ですからちゃんと協議をしないユーザーが居ても、協議がなされずに放置される場合も多々有るということに。

なかには、「計画外の設備の誤作動が有った」、「省エネ機械が壊れた」などと言い訳を申請すればその日のデマンド超過が帳消に認められる場合も有り、どういう基準で許されるのかわからない場合が多くありました。

 

ところが、そのようなユーザーが新規参入新電力に切り替えを検討しようものなら、送電線を管理する旧一般電気事業者は「牙を剥き」ます。

新電力の料金が安く、申込書を新電力に提出し、新電力が旧一般電気事業者に切り換えの協議をしようとすると「最高デマンドを契約電力として切り換えなければ協議に応じない」と抵抗する場合が出てきました。

今までは放置してきたのに、切り替えるとなると「契約電力で電線の太さを決めるから」という伝説でまた拒絶してきます。

当然ながら、契約電力が上がると、新電力のメリットが初年度に帳消しになる場合が多く、そこで断念してしまう需要家も出てきました。

新電力に通電開始して、デマンドが無事に下がり2年目になれば契約電力を下げることは可能ですが、初年度のハードルは結構高いです。

これは、基準を決めなければはっきりとした「参入障壁」です。

例えば、3%以下の超過なら認めるとか、年2回以上の超過なら契約電力を上げるとか明文化しない限り「決まりなので」では済まされない内容です。ですから、約款その他にちゃんと銘記すべきです。

 

自由化が進展し、発送電分離が行われた場合は送電線維持管理会社がスイッチング時の協議に応じることになると思います。

その時までには基準を明確にしないと「誰の味方なんだ!?」と需要家も抗議する場合も出てくると思います。

 

どんなに自由化が進展しても、送・配電線の維持管理には需要家も新規参入電力会社も協力すべきです。

しかしながら「恣意的な運用」「根拠なき指導」はもう通用しないと思います。