燃調費

燃調詐欺

 

 

皆さんは、一昨年2022年からの原油高によるエネルギー費高騰・電気料金高に悩んでいるどころか苦しい状況だと思われます。

地元の東北電力も、規制料金低圧だけでなく自由化料金低圧・高圧ともに2023年4月から値上げに踏み切りました。

この時に、高圧受電の単価で政府指導の激変緩和措置を東北電力が行ったせいか、以前から東北電力のお客様は、契約更新日を基準に 旧定価単価(2022年11月改定)→ 2024年4月~特別措置① → 特別措置② →新定価 と値上げになりました。

高い新定価に値上げになる前は、従来の燃料費調整(旧燃調)が引き継がれて、原油高を反映して高止まりになっています。

ところが、2023年4月以降契約の新規のお客様は、新定価+新燃調(2024年4月から設定)としたため、燃調費が新旧2系統になったのです。 ~ 上の表参照

新燃調は2022年12月の燃調費12.12円/kwhがそのまま新定価の従量単価にスライドしたため、2023年4月スタートの新燃調は-0.24円/kwhからとなりほとんど負担感が有りません。

旧定価(安い)+旧燃調(高い)= 新定価(高い)+新燃調(安い)とバランスが取れたため、東北電力内のお客様の中では変わりがないだろうという設定です。

ところが新燃調は市場連動ファクターが入っているため、JEPX市場の安定を反映してじりじりと値下げました。

11.61円だった新旧燃調費の値差は2024年3月には14.07円/Kwhとなり、以前から東北電力の方は新電力が撤退して2023年から東北電力へ戻ってきた新規の方々より、燃調費が割高になりました。

値上緩和措置中の方が値上後の方より高いとは、変な話ですよね?

またこのことは、他社新電力の動きも変えました。

新電力側は、以前のお客様を勧誘するコンペ時は、燃調費は東北電力に合わせるので、

基本料金と従量料金の合計だけ比較すればよい!という見積もりを提出してきました。

請求電気料金=基本料金+従量料金+燃調費+再エネ賦課金

 

再エネ賦課金はエリアで決まっていますから、燃調費を東北電力に合わせれば比較が可能ですという理屈でした。

ところが、2022年の狂乱原油高で情勢が変わります。

新電力各社は、東北電力の燃調費に連動することを次々にやめて独自の燃調費単価にしました。

ですから、基本料金+従量料金+燃調費全てを値上げして独自に値段設定し、

「新電力と契約中=東北電力より安い」という図式は崩れました。ここがポイントです。

 

ですから、値上げ通告を受けても東北電力へ戻っていない方は、東北電力よりもいつの間にか高かったという契約が散見されてきました。

 

中には値上げ契約なのに、1年縛りで中途解約は違約金有りなどの不合理な設定で契約更新されている方も居ました。

ここからが詐欺問題の始まりです。

原油高から2年がたち、さすがに値上げした東北電力や新電力の契約に我慢が出来ない方が見直しを始めました。

当然ながら、現在は固定価格値引(基本・従量料金を値下げ)する方式よりも市場連動契約が安くするのには有利なのですが、乱高下しそうで怖いと思う方が多いです。

そこで、昔ながらの固定価格値引という条件で新電力を集めて見積もり合わせコンペをするのですが、経験と知識がない方は、今まで通り基本料金と従量料金だけ(正味料金)を比べることになってしまいます。

燃調費が独自ではなく、「地元電力(東北電力)に連動します」と見積書に書いては有るのですが、それは新燃調でしょうか旧燃調でしょうか?

 

もしも2番目の表のように、旧燃調ベースでの見積もりなら、正味電気料金なら5%くらいダウンですが、総請求年額ですと東北電力より40%もアップしてしまいます。

1kwhあたり13円も差が有るのですから当然です。

 

新電力も代理店もわかっていて出しているのでしょうか?結構な大手新電力がこのようなことを平気で行っているので、詐欺だと指摘しにくいものです。

弊社の場合は、そこを何度も確かめて比較させますが、ほとんどが旧燃調費連動かそれに近い燃調単価で、いまだに「原油高・紛争・円安が収まっていない=東北電力より値引きできない」ということが続いていることを再認識します。

市場連動の方がよほどリスクを説明しやすいので、公明正大です。

「旧燃調」は弊社が勝手につけた名前で、あくまでも東北電力の暫定措置で、今年中には対象のお客様も居なくなり自然消滅し、新電力がそのレベルの燃調費を維持しても「独自燃調」となります。

独自燃調は国も認めており、各社が電気を調達する発電所の燃料の購買具合から決めればいいことだと思いますが、「独自=お手盛り感」が強く勝手に上下して儲けていた新電力が有りましたから危ない印象です。

どうしても固定価格値引の見積もりを取りたい・契約を安くしたい場合は、「新燃調連動の見積もり集め」をお勧めします。

 

そうすれば、全く新規に開店した東北電力と契約した事業所よりは安くなるのが確定し、メリット金額を計算しやすいです。

 

「旧燃調」は詐欺に近く、「独自燃調」は危ないというのが当方の考えです。

そうなると、燃調費が無い市場連動契約が再度重要となってきます。

また、2024年4月からは容量市場拠出金というモノが、各電力会社からお客様に請求される予定ですから、

その金額も見積もりに入っているか確認下さい。

電力会社の見積もりは、総請求額比較の時代になりました。